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ブセファランドラについて

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ブセファランドラ


サトイモ科の植物で、ボルネオ島に自生しています。北側のマレー領、
南側のインドネシア領共に見られます。
現地では渓流のようなところに主に水上葉で生育しており、
時折水中にも見られます。岩などに着生していることが殆どです。

2005年くらいからアクアリウムに登場した比較的新しい水草で、
同じくらいの時期にファームからのブセファランドラと思われる
サンプルが入荷しています。サンプル品は極限られた数量だったので、
殆ど知られていません。筆者も確認していますが、本当に小さな
謎のサトイモ科と思われる水草と言った印象でした。

2006年にTB便のシンタンが広く紹介され、ブセファランドラが
一般的に知られることになりますが、その頃はまだ特定のショップのみで
販売されていたため、現在のように広まることはありませんでした。

その後、マニアに親しまれるようになり、採集物が継続的に入荷
するようになると、全く異なる個体が見られたため、コレクション性も
高まり、更に人気を博すこととなります。
個人採集者やインドネシアの業者からも大量に輸入されるようになり
あちこちで見かけるようになったのですが、恐らくインドネシアの
業者におけるストックの段階で汚染されてしまったと考えらますが
アヌビアス属と同じくバナナネモグリセンチュウの寄主植物とされる
こととなり、野生の本属は輸入が出来なくなりました。
ファーム物に関しては圃場の栽培地検査等で汚染されていないとの
証明書が取れているところからは輸入が許可されているようです。
こちらも検査で寄生が認められるとそのファームからの輸入が
滞ることがあります。

現在は日本だけでなく世界でも人気種となったため、海外のファームで
盛んに生産されるようになりました。
基質に着生することで、水草として非常に扱いやすく、
アヌビアス ナナだと大きすぎる小型水槽にも容易に用いることが
出来るため、現在でも人気です。

ブセファランドラの人気が出た際に入荷ルートが多岐に
わたるようになり、タイプや名称が混乱を極め、状況を
把握できているのは極一部のユーザーとなっており、
完全にすべてを把握するのは世界的にも不可能となりました。

※ブセファランドラの学名一覧はこちら




入手について


以前は採集物の水上葉が殆どでしたが、現在は東南アジアや
ヨーロッパの海外水草ファームで生産されており、ポットやバラ株、
組織培養カップで販売されています。国内での増殖株も流通しています。
残念ながら冒頭にも記した通り採集物(野生の株)は入荷することが
なくなってしまいました。

ファーム物は主に水上葉となっています。真夏や真冬には輸送の
ダメージが大きくなる場合があり、葉や茎が一部溶けていることが
あるので特に注意が必要で、よく観察するようにします。
国内増殖株は以前は主に水中葉で流通していましたが、近年の
水上栽培への流れもありショップによっては殆どが水上葉で
販売されていることもあります。

海外の水草ファームが生産しておりコンスタントに入荷する種類に
関しては水草に注力しているショップではよく見かけるので比較的
入手は容易です。その他、入荷頻度の低い種類に関しては
取り寄せを頼んでおいた方が確実です。
また、ファーム物とはいえ入荷が数回〜単発で終わる場合も
散見されるので「あのとき買っておけば…」とならないように
気をつけましょう。

特定のタイプを入手する場合はその「商品名」だけで購入するのは
避け、そのタイプがどのような特徴を持っていて、どのルートで
入荷するのかを確認するようにします。
残念ながら「名称」のみがそれで「実物」が異なるものが
販売されている場合があります。



用意すべき環境


小型種から大型種までありますが、水草水槽に用いる場合は、
水中の栽培に適した種類を使うようにするため、おのずと中小型種と
なります。ですので、水槽は小型の物から使用することが出来ます。
水質を安定させることを考えると30センチ以上あれば良いと思います。

底床はソイル系、大磯などの砂礫、田砂等でも問題はありません。
pH に大きな影響を与えるようなものでなければ使用できます。
底床の厚さはブセファランドラのみを栽培する場合は薄くても
構いません。
着生させる場合は溶岩石や流木などを用意しますが、現地では
岩に着生しているので、石の方が付きやすいと思います。
もちろん底床に植えこんでも栽培出来ます。

照明は水草用のLED1灯あれば育成することが可能です。
強すぎる照明は株が弱っている場合や導入初期などに
葉焼けなどを起こす場合があるので注意が必要です。
ブセファランドラ自体は暗い環境には相当強い植物です。

二酸化炭素は必ずしも必要ではありませんが、成長速度を
上げたい場合や密生させたい場合は添加すると
効果があります。
また、水上葉を水中化させるためには二酸化炭素の添加が
有効です。

肥料は主に液体の物を使用します。添加量は極少量に
します。ブセファランドラと水槽の状態、管理状況で
上手く加減できると良好な成長が見られます。

フィルターは水槽サイズにあったもので、適度な水流が
作れるものであれば、タイプは問いません。

ブセファランドラは高水温を好まないため、夏場の水温上昇を
避けるためにファンやエアコンを用いるようにします。



日々の管理


新鮮な水を維持するために定期的に換水します。

新規の水槽の場合は換水とガラス面のコケ取りだけで
大丈夫かと思います。
既に安定しているような水槽であれば換水と極少量の
液体肥料を添加します。

石や木等の素材に着生させた場合、それを置いた下は
どうしても汚泥が堆積してしまうため、換水の際には時々
着生した素材を動かして、その下をクリーニングするようにします。

ブセファランドラは成長すると根茎が長く伸びてくるので、
着生させている基質から大きくはみ出します。そこで
はみ出した部分はカットしてまた別の石などに着生させます。

根茎からは子株を生じますので、時間と共に株数が増え
ボリュームが増します。込み入ってくると内部にゴミが
堆積したり、光が当たらない部分が出てくるので、
適宜トリミングするようにします。


育成あれこれ


栽培は特に難しくはありませんが、入手した時の状態や、種類によって
導入後の展開に差が出る場合があります。

水上葉の場合は水槽の環境によって、水中葉を展開するまでに
かなり時間を要するケースがあります。
状況によっては展開する前に黒髭ゴケに覆われることもあるので
ブセファランドラの水槽は水草水槽として安定していることが
望ましいと言えます。

黒髭ゴケが付着した場合は、水槽のメンテナンスや環境の改善、
コケ取りの生体で対処するのがベストです。

状態よく成長した場合は根茎から生じる子株によって
ボリュームが増すのでトリミングや掃除を行いますが、
その際、着生したブセファランドラを取り出して、水道水で
洗うことは避けます。水上葉では大丈夫かもしれませんが、
水中葉では塩素などでダメージを受けるようで、数日後に
溶けだすことがあります。

東南アジアの小さなアヌビアスの仲間、と言った感じの水草
ですので、こちらもある程度割と時間をかけて栽培することなります。
特に水上葉から導入すると水槽に馴染むまでに数か月から
長い時には1年以上を要することがありますので、焦らずじっくり
向き合うと良いかと思います。

当初、ブセファランドラは4種ほどしかなく、入荷する多くが
モトレイアーナと言う種類と考えられていましたが、日本での
ブームによってもたらされてた多くのタイプが精査された結果、
多くの別の種類だったということがわかりました。
そのため、各種類で性質がそれなりに異なるので、
ブセファランドラだからすべて水中で育てるのに向いているかと
言えばそんなことはありません。

乱暴に区別すると小型〜中型未満の種類は水槽向き、
中型以上から大型種は水上栽培向きと考えれば概ね間違いは
ありません。もちろん栽培は出来ますが、同環境で何倍も
成長スピードが異なるため、水中向きと言うには少し難しい
かもしれません。



増殖

増殖のやり方はアヌビアスの仲間と同様と考えて間違いありません。
成長してと根茎が長くなればカットしておくと、生長点が無い側、すなわち
切り株側から子株を複数生じますので、ある程度のサイズになってから
取り外します。

根茎をカットせずにそのまま放置して栽培していても、そのうち
根茎のあちこちから子株が生じます。

根茎は長いものでもあまり細切れにしないようにします。
極端に短くしてしまった根茎は芽が出ずに枯れてしまったり
そのまま腐ってしまう場合があるのであまり欲張らないようにします。


推奨される種類

ブセファランドラ黎明期に導入された中でも、水中育成に適した種類は
ずっと水草として維持され、水中葉で販売されています。
そのため、水槽環境に順化していると考えられ、初めてブセファランドラに
挑戦する際には失敗することなく育成することが出来るでしょう。

・クダガン
・シンタン(西カリマンタン)
・クアラクアヤン北部産タイプ1
・クアラクアヤン北部産タイプ2
・カユラピス1(B.ミクランサ)

また、東南アジアやヨーロッパのファームから来るものは
生産品のため、割と扱いやすいかと思います。

東南アジアファーム
・sp.クダガン
・sp.レインボー
・sp.カテリネアエ

ヨーロッパファーム
・sp.レッド(トロピカ)
・ピグマエア ブキックラム(トロピカ)
・sp.ビブリス(アクアフルール)
・sp.テイア/テイアグリーン(アクアフルール)
・sp.ラマンダウ(アクアフルール)

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