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クリプトコリネについて

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クリプトコリネ


クリプトコリネは東南アジア原産のサトイモ科の水草です。
マレーシア、インドネシア、インド、スリランカ、フィリピン、タイ
カンボジア、ベトナム、中国などに分布しており、その国固有の種類が
多く見られます。
比較的低地のジャングルを流れる中・小規模河川や、泥炭の堆積した
水の流れる湿地のような環境に生えています。

その形状やサイズは様々で、数センチの物から長さ1メートルに及ぶ
種類まであり、属の中で仏炎苞の形状や色彩が大きくことなるのも
魅力の1つです。

アクアリウムには古くから用いられており、二酸化炭素の添加が
行われていない時代にも時間をかけて美しい群生を形成するため
多用されていたようです。
また、前景,・中景・後景それぞれに用いることが出来る種類が
揃っているため、非常に使い勝手の良いグループでした。

昔は東南アジアのファームからバラ株として入荷していたもので
コルダータやグリフィティ、ロンギカウダなどは野生の株が
採集されてファームから出荷されていました。しかしながら
インボイスネームと実際の種類が異なり、個人採集物の
クリプトコリネの入荷が無い時代は栽培して種類を確認する作業も
マニアの間では楽しみになっていました。

現在は国内外の水草ファームでポット物や組織培養カップでの
入荷がメインとなっていて、残念ながら一般種のバラ株も
見かけることが無くなりました。

水槽内では環境の変化によって溶けるように枯れることが
あるため、上級者向けのようなイメージがありますが、
適切な環境と処置のもとでは根茎が残り再生するため、
じっくり向き合えるなら逆にビギナー向きとも言えます。



入手について


代表的な種類はポット物で販売されていることが殆どです。
また、近年は組織培養カップでの販売が多くみられるようになりました。

多くは水上葉で販売しているので、緑色の少し硬そうな葉に
見えることも多いですが、水中葉は緑〜茶色、赤茶色などに
なる種類が殆どなるため、インターネットや図鑑などで水中葉を
確認してから購入すると失敗が少なくなります。

ポットの物は葉や株元がしっかりしているものを選びます。
水上葉で入荷したものを水中に沈めて販売されていることが
殆どとなっているため、想像している葉とは異なることがあります。

葉が半透明になっていたり、透けるような斑点があったりすると、
溶けている、または溶ける前兆と考えられるため、導入予定の水槽に
大事にしているクリプトコリネがある場合は一旦検討し直しても
良いかもしれません。

ただ、溶けるか溶けないかは導入して見ないとわからないことが
殆どなので、状態の良さそうなものなら購入しても良いでしょう。

組織培養カップの物は中で葉が溶けていたりカビが発生している物は
避けるようにします。またカップの裏を見ることが出来る場合は裏を見て
根が綺麗かどうか確認すると良いでしょう。




用意すべき環境


サイズは種類によってまちまちですが、クリプトコリネは環境によって
草姿やサイズが変化するため、代表的なスリランカ産のウェンティ系などは
小型水槽から使用することが出来ます。
ただし、テープ状に伸びる種類であるクリスパチュラ・グループや
インド産のスピラリス系の一部、シバダサニィは小型水槽では持て余す
場合があります。

クリプトコリネは根や根茎が栽培の上で重要なので、底床は
あまり薄すぎないようにします。出来れば5センチ以上あれば
植え付けや栽培が行いやすくなります。

底床は大磯などの砂礫、またはソイル系のどちらでも使えますが、
酸性土壌(ピートスワンプ・ブラックウォーター)に生育する種類は
ソイル系が育てやすくなります。
大磯の場合は新品よりは水草水槽で使用した古めのものが
良いでしょう。

クリプトコリネは光の条件には寛容で、照明が少ない事には
適応力を発揮してくれます。
クリプトコリネを栽培する場合は水槽に対して専用の照明が
1灯からで大丈夫です。
もちろん明るい環境にも適応するのですが、強すぎる場合
葉の色が薄くなったり、葉が寝そべるように展開する
ことがあります。

二酸化炭素は必ずしも必要ではありませんが、大きく育てたり、
出来るだけ早く群生させたい場合は少量添加するだけでも
効果が得られます。

肥料は主に底床に埋め込むタイプを使用します。少量の液体肥料も
効果的ですが、クリプトコリネの調子をよく観察することが必要です。

濾過器は水槽の容量や形状に合ったスペックの物であれば、特に
問題はありません。
クリプトコリネは主に流れのある所に生育しているため、必ず
全体の水が入れ替わるように水流を作ってやるようにします。


日々の管理


クリプトコリネは環境の急変を嫌いますので、定期的な換水を行うようにします。
肥料は基本的には底床肥料を使用して、一度に与えるのではなく、少量を
何回かに分けて与えます。
ソイル系の底床を使用した場合、数か月は施肥しなくても特に問題は
ありません。

照明や二酸化炭素の添加もタイマーや電磁弁を用いて、規則正しく
添加するようにします。添加したりしなかったりはあまり良い結果を
生まないことが多いと思います。

葉の様子は気が付いたら観察するようにして、枯れている葉や部分的に
溶けている葉があれば除去するようにします。

調子良く育っている時はあまりやることが無いのもクリプトコリネの
良い所です。乱暴に言ってしまえば週1の換水と数ヶ月に一度の
施肥だけで十分とも言えます。




育成あれこれ


クリプトコリネは環境への適応能力が高いので、水槽が落ち着いていると
特に何もしなくても成長します。
クリプトコリネの栽培に取り組む場合は、どんな種類を、どういった目的で
どういう環境で、と言うことでアプローチが異なるため、種類や水槽の
コンセプトなどをよく考慮するようにします。

またその適応能力によって、様々な環境でそこにあった成長を
見せてくれるため、セオリーがあるようで無いと言う事も出来ます。
ですので前述の日々の管理にあるように、定期的な換水と言うのは
絶対必要なことでもありません。無換水・足し水だけでも上手く
生育する場合もあります。ただしその場合は、その水槽の状態を
管理者が作り出したのではなく、クリプトコリネが用意された環境に
適応しているだけと言う事を強く認識すべきでしょう。
そして、その調子よく成長している環境を把握して維持するようにします。
長期間の無換水・足し水は日々崩壊へと向かっていることを
頭の片隅に入れておく必要があります。

植え付ける場合は、ファーム物の場合は2パターンの下準備が
あるかと思います。
ポット物で考えた場合は、まずウールから株を取り外したのち、
付いてる根をすべてカットして根茎と葉にして植え付けます。
これは、傷んでしまった根は短期間でいずれ枯れてしまうので
底床内で腐敗しないようにして、現在の環境で新たに発根
させて根付かせると言う方法です。

もう1つは、ポット物などのファーム物、または採集物の株の場合です。
変色してしまったり、折れたりしてしている根はカットしますが、
白く瑞々しい根は温存する方法です。
クリプトコリネの根は、先端が無くても残った部分から細根が
生じることがあるので、それを考慮して太くしっかりして
傷みが殆ど無いような根は残して植え付けます。
その際、元の根を傷つけては意味が無いので、出来るだけ
傷めないように植えるようにします。

組織培養カップの場合は植物体が非常に小さいため
あまりカットせずに植えるようにします。また小さい株が
ひしめき合うようにくっついているので無理に1株ずつに
ばらさず、数株単位の塊に分けて植えるようにします。

クリプトコリネに限らず、様々な水草でも応用できる導入方法
としては、植え付ける前に導入する水槽に数日間浮かべて
様子を見る方法があります。
新芽の展開や、新たな発根を確認したり、もとから付いている新芽や
根も、しっかりと光の方向や重力に反応して活動しているかどうか
などを見極めることが出来ます。

溶けが生じた場合は、溶けた葉が残っているとそれが及ぼす
影響によって、健康な葉も溶け始めることがあるので、溶けた葉は
換水を行って吸い出すようにします。
また、溶けた部分を食べているように見えるので、エビ類を入れておくのも
おまじない程度ではありますが、コケの予防も含めて推奨出来ます。



増殖


クリプトコリネの多くの種類はランナーと呼ばれる地下茎によって
離れたところに子株を生じます。
ランナーは環境やその種類によって長さが異なり、長いものだと
20センチ以上も離れたところから子株を出す場合があります。

また、スピラリスやシバダサニィ、スワイテシィなど一部の種類では
長いランナーを出さずに株元に子株を作り、株別れのように
増殖を行います。

ストリオラータに関してはランナーは出さず、株元に子株を生じることも
積極的には行わず、主に水中で花を咲かせたのちに結実し、水槽内に
種子を蒔いて増殖します。発芽した幼株は根茎が無いため、溶けると
そのまま消滅してしまうので、水質の急変は避けるようにします。

水中での栽培はあまり行わない種類ではキリアータはランナーでも
増えますが自家受粉後にウニのような幼植物が出てくることが
あるようです。
エリプチカはランナーを出さない種類です。葉柄の付け根が脆く、
葉がすぐに取れてしまうのですがそれをミズゴケなどに挿しておくと
ベゴニアなどのように新芽や根を出して子株が作れます。



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