“Roots”
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ホシクサについて

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ホシクサ


ホシクサ科の植物は主に湿地のような環境に生育していることが
多く、長期間の冠水に耐えることが出来る種類や水生種も
あることから水草水槽に用いられるようになりました。
ロゼット型や有茎種、短茎種などが見られ、小型種からテープ状に
伸びる大型種までサイズも様々です。

90年代に南米からトニナやスターレンジが紹介されました。
今までにない美しさですが栽培が難しい水草でした。
しかしながらソイル系の底床が登場したこと、軟水での栽培が
ポイントであることが解明されたことにより容易に栽培できるように
なったため、文字通り、一気にスタープランツへと駆け上がりました。

その後、野生の水草が東南アジアやアフリカからも入荷する様になり、
マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、ギニアなどからも
様々な種類が入荷するようになりました。

アクアリウムにこれだけホシクサを導入したのは世界の中で
日本が群を抜いています。
ブームの終焉と共に、多くのショップや趣味家の水槽からは姿が
消えてしまいましたが、海外のファームで極僅かの種類が
生産されるようになりました。
近年は古い南米の水草を栽培する人が少し増えたようで
昔のホシクサの仲間がどこからともなく再度広まっているようです。


入手について


現在のところ、最も入手しやすいのは海外水草ファームの
組織培養カップで入荷するエリオカウロン キネレウム思われる
ウニ型の種類や葉幅がやや広いsp.ベトナムと言った種類です。
水草を多めに扱っているショップで時折見かけることがあります。

スターレンジ(トニナ フルビアティリス)は、ファーム物の
水上葉が入荷します。トニナsp.(学名不詳)は、基本的に水中葉で
生育するため、海外ファームの水中葉が入荷しますが、
状態はそれほど良くないことがあります。

トニナsp.やスターレンジは、水草に注力しているショップでは
水槽で栽培した水中葉を販売していることがありますので、
そういった株の方が導入しやすいと思います。
最近はスターレンジも組織培養カップで入荷するようになりました。

ホシクサは葉が傷みやすいので、入手の際は葉が黄変したり
色が抜けて半透明になっている葉が多い場合は避けるようにします。
艶や張りのある黄緑色のしっかりした株を購入すると、その後の栽培が
スムーズです。




用意すべき環境


小型種や有茎草が主に流通しているので、水槽はSサイズ程度から
始めることができます。
ロゼット型のある程度大きくなる種類(ゴイアス、マットグロッソ、
デカボシ、ブレビスカプム等)は45センチ以上の水槽が望ましいでしょう。

底床はソイル系を用いることで栽培が容易になりますが、大磯などの
砂礫でも、使い古したものや、処理済みのもので、硬度を上昇させない
場合は使用することが出来ます。ただし、ソイル系での栽培より
テクニックが必要となります。

照明は明るい方がよく、あまり暗い場合は小さいままであったり
枯れてしまう事もあります。
水槽サイズにあったものを2〜3灯準備しておき、ホシクサの
生育具合や水槽のコンディションなどを見ながら調整すると
良いでしょう。

フィルターは水槽サイズに合ったものであれば特に問題は
ありませんが、水流が全体に行き渡るようにすべきで、
淀みが出来ないような設定が可能な種類を用います。

二酸化炭素は添加するようにします。完全に機能してバランスよく
保たれている水槽の場合は添加が無くても栽培可能ですが、
通常は添加を行い、ホシクサの成長を助けてやる方が好結果が
得られます。
水生の種類(ケヤリソウやトニナsp.など)以外は基本的に
無理矢理沈めていると考えた方が自然なので二酸化炭素は
添加すべきです。
近年はアクアリウム向きの種類のみが流通しているので
昔に比べると「ホシクサの栽培」自体が比較的容易になった
印象もあるかと思います。

肥料は底床、液体共に準備するようにします。水槽と
ホシクサのコンディションを見ながら上手く使い分けます。


日々の管理


換水は行うようにしますが、水質の極端な変動は望ましくないので、
定期的に少量ずつ行うようにします。
水槽に順化して丈夫になっているものは通常の水草水槽の
管理で問題無いでしょう。

こなれた水を好む場合が多いので、いわゆる弱酸性の軟水と
言った水質を目指すようにします。

肥料は一度に入れずに少量ずつ分けて添加した方が環境への
影響が少なくてすみます。


育成あれこれ


南米産のトニナsp.やスターレンジ、マットグロッソなどは低pHの方が
栽培が容易になることが多いので、数値的にはpH5程度が目安と
なるでしょう。もちろんそうでないと育たないと言う事はありません。
ゴイアスやブレビスカプム、よく流通してるウニ型の小さな種類は
状態の良い水草水槽なら特に問題はありません。

マットグロッソや大型のケヤリソウ(セタケウム、インターメディウム等)、
デカボシ等ロゼットの大型種は茎がスポンジ状と言った感じで
浮力が非常に強いため、植え付けてもすぐに抜けて浮かび上がる
ことがしばしばあります。植えては抜けを繰り返すと草体を傷つけて
しまい、それが原因で調子を崩したり枯死する場合があります。
どうしても抜けてしまう場合は、植え付ける際に重しやビニタイなどで
草体を傷つけないように固定します。

近年はもうなくなりましたが、新たな不明種を入手した場合、
状態の良い水槽に浮かべて様子を見ます。
新芽の展開や発根が見られる場合は少しずつ沈めていき、
明るい場所に植え付けるようにします。
新陳代謝を促すために少量の換水と極々少量の液肥を添加するのも
上手く作用すると成長の後押しになりますが、必ずしも奏功するとは
限りません。

水質の急変は避けるようにします。
調子よく育っているホシクサが環境の急変で一夜にして枯死することが
あります。 生き生きとした黄緑色の葉が十数時間で半透明になり
リカバリー不能な状態に陥ります。これは生理的なショックが原因と
考えられますが、直接の原因は不明です。

また、他の水草の解説でも挙げていますが、部分的に半透明になり
触れあっている箇所からどんどん広がっていく病気のような症状が
あります。
ホシクサはその速度が他の水草の何倍も早く、トニナやスターレンジの
群生を掻き分けると頂芽から下は茎しかないと言うようなこともあります。

この便宜上「病気」と呼ばれるものは、適正水質からの逸脱や繁茂し過ぎて
通水の悪化など環境の不備から発症することが多いので、観察を
怠らないようにします。




増殖

トニナやスターレンジと言った有茎草タイプ一般的な有茎草と同様
ピンチカットを行うことで増やすことが出来ます。

有茎タイプでもケヤリソウと呼ばれる種類はロゼット状の短茎種が
伸びあがったと言えるもので、カットした株からは殆ど新芽を生じることが
無いため、頂芽が枝分かれしたものが伸びたらカットして分けるように
します。有茎とも言いづらいマットグロッソもこちらのタイプになります。

ゴイアスやキネレウムなどのロゼット型は株別れを行うので、それぞれの
株がある程度のサイズになった時点で株分けを行います。

また、現在流通のある種類ではゴイアスによく見られますが、花芽を
上げた時に、花芽から直接子株を生じることがあります。
茎が太いタイプのケヤリソウやロゼット型の一部の種類にも見られます。
そのままにしておくと、花芽から葉が展開し、発根してくるので
適当なサイズになった時点で花茎ごとカットして植え付ければ株が
得られます。

花茎を長く伸ばすタイプの中には自家受粉を行うものがあり、
水面から花が出ている場合は自然に結実して水槽内に種子が散らかり
小さな子株が自然と生えてくることがあります。


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