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エキノドルス |
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南米原産のオモダカ科の沼沢植物で、古くからアクアリウムで
親しまれています。熱帯魚売り場でよく販売されているアマゾンソードは
エキノドルスの1種です。
水上葉と水中葉を使い分けているので、水草として使用されています。
ロゼット型で底床にしっかりと根を下ろすタイプの水草となっています。
主に国内外の水草ファームで生産されたアマゾンソードのように
黄緑色の葉を持つ種類、品種改良された赤い葉や褐色斑の入る葉を
持つ種類、現地採集物が国内で増殖された深緑色の種類がそれぞれ
流通しています。
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入手について |
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前述のアマゾンソードは熱帯魚店でよくみられ、安価で販売されている
ことが多いため入手は容易です。販売は水上葉であることが多く、少し硬い
印象があります。
ポット物や鉛巻で販売されている水草ファームで生産された物が
入手できます。
水草に注力しているショップでも、レイアウトがメインの場合は、最近の
レイアウトにはあまり使用されないエキノドルスはさほど置いてない場合が
あります。
比較的珍しい水草などを取り扱っているショップでは主に深緑色の種類が
販売されていることがありますが、一般的な種類や改良品種などは
在庫していないことがあります。図鑑等でよく見る種類は大型店や
大手通販店等の方が入手しやすくなっています。また普段利用している
ショップに頼んでおけば取り寄せてくれる場合があります。

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用意すべき環境 |
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大きくなる種類が多いので、レギュラーサイズの60センチ水槽以上が
望ましいのですが、種類や栽培の方法を調節すればS水槽からでも
大丈夫です。
根張りが強い水草ですので底床はある程度の厚みが必要で、
5センチ以上が育てやすいですが、最低でも3センチ位はないと植え込みが
困難です。
底床は大磯などの砂礫、またはソイル系のどちらでも使えますが、
ソイル系の方が立ち上がりが早くなります。
エキノドルスは明るい環境を好むため必ず照明が必要です。水槽サイズにも
よりますが、近年のしっかりしたLEDであれば1灯でも栽培は可能と
なります。
奥行きのある水槽の場合は2灯以上あった方が良いでしょう。
二酸化炭素は必ずしも必要ではありませんが、大きくしっかりと
育てたい場合は添加すべきで、ポテンシャルを存分に引き出したい時は
添加は必須です。
肥料は主に底床に埋め込むタイプを使用します。少量の液体肥料も
効果的です。
濾過器は水槽の容量や形状に合ったスペックの物であれば、特に
問題はありません。葉数が増えたり、大きくなったりすると水流が
疎外されるので、ある程度流量のあるものを選ぶようにします。

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日々の管理 |
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基本的に丈夫な種類が多いので、いわゆるアクアリウムで行う管理が
出来れば問題はありません。定期的な換水と、規則正しい照明をベースに、
底床への施肥、可能であれば炭酸ガスの添加が出来ればベストです。
調子よく育っている場合は少量の底床肥料をこまめに追加すると
効果的です。
液体肥料は極少量で良く、カリウムがメインの物を継続して添加すると
徐々に効果が現れます。
意外に葉の縁に黒髭コケやもずく状のコケがつくことがあるので濾過器の
つまりや過度な汚泥の蓄積は避けるようにします。

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育成あれこれ |
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環境の悪化(水が古くなる、高水温、底床のつまり等)によって
新芽の萎縮や変形、葉に褐色のシミが生じることがあります。
深緑色のタイプは基本的に高水温を嫌うので夏場の水温上昇には注意して
ファンなどを利用して出来るだけ水温を下げるようにします。
褐色のシミは深緑と黄緑でもウルグアイエンシスに多く見られますが
直接の原因は不明です。主に環境の悪化(長期間の無換水、phの低下、
高水温、底床の腐敗等)で起こると考えられています。
それ以外には他の水草が腐敗したり生理的な問題で溶けたりして
取れた水草の切れ端などが長時間付着していた場合にそこから
発症することがあります。
この症状を見つけたらシミのある葉や葉柄はすべてカットします。
気付いた時にはかなり広がっていることが多いため、殆どの葉を
切除しなければならないことがしばしばあります。
黄緑色のエキノドルスは、比較的長期間植え付けた場所付近から
それほど移動しませんが、深緑色の種類はアヌビアスの仲間のように
根茎を作りながら横移動を行います。環境が良い場合はかなりの
スピードで場所を移動するので植え替え、または生長点の方を
カットして取り外す作業が必要になります。
藻類の予防に生体を入れることは推奨出来ます。オトシンクルス、
サイアミーズフライングフォックス、エビ類、モーリーの類、
アメリカンフラッグフィッシュ等が挙げられます。

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増殖 |
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アマゾンソードやスプーンソード、ラッフルソードなどに代表される
黄緑色のエキノドルスは主にシュートと呼ばれる花茎に生じる子株を
切り離して栽培します。
株が充実してくると同じような大きさで2つに株別れをすることがあります。
その場合は気付いたときには2株になっているのですが、分けるとなると
引き抜くことになってしまいます。
また、逆に成長不良を起こした際に横から複数の子株を生じる場合も
あります。この場合は株が小さいのである程度のサイズになったら
ねじ切るように取り外すことが出来ます。
あまり小さいときにやってしまうと株がバラバラになるのでしばらくは
そのまま育てるようにします。
オパクスやポルトアレグレンシスのような深緑色の種類やホレマニーや
ウルグアイエンシスの仲間は、前述の通り後ろに根茎を作りながら
成長します。その後ろに残った根茎から子株が生じるので、
それを取り外して栽培します。
長くなった根茎を成長点側から切り離すことで、後ろの切り離した
根茎から成長点を出させることも出来ます。
出来ればしっかり成長した株の新鮮な根茎を使うようにします
痩せていたりあまりに古くなった根茎は芽を出さずに朽ちてしまう
場合があります。
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