“Roots”
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ミクロソルムについて

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ミクロソルム・ミクロソリウム


ミクロソルム(ミクロソリウム)はウラボシ科のシダ植物で、台湾、
中国南部、インドシナ、インドをはじめ、アジアの熱帯または
亜熱帯地域に自生します。日本では石垣・西表島に分布
しています。
通常は川辺や飛沫のかかるようなところに着生しており、
時折水中にも見られます。
そのため、水草として古くから用いられており、ショップでは、
アヌビアス ナナやアマゾンソードと並んで、丈夫な種類として
勧められるのがミクロソルム プテロプスとなっています。

一般的にはミクロソルムと言えば、M.プテロプスを指し、
ポット物、鉛巻、流木や石に着生させたものが販売されて
います。
単純に熱帯魚水槽の飾りにも使えますが、小型魚の繁殖などに
おいて、流木等に着生させた本種を入れておくと産卵床や
隠れ家として利用できるため、ビギナーからマニアまで
馴染み深い水草となっています。

以前より、ヨーロッパのファームからプテロプスの改良品種が
入荷していましたが、2000年ころからでしょうか、様々な
タイプのプテロプスと思われるものが紹介されるようになりました。
そのなかには、採集物や園芸ルートと思われるもの、
更には個人が突然変異株を選別栽培を行い固定した
ものまでありました。
そのようなことから多くのタイプが登場し、コレクションするにも
困らなかったものの、大きめのタイプや、水槽内で扱いにくい
タイプ、さほど特徴の無いタイプなどは時の経過とともに
見かけることは無くなっていきました。

また、ヨーロッパではミクロソルムは意外に人気が無いらしく、
トロピカをはじめとしたファームが作っていた複数のタイプも
殆どが生産終了となり、流通は殆ど無くなってしまいました。

現在、日本においては小型タイプや葉が複数に分岐する
ボリュームが出やすいタイプが定番となっているようです。


入手について


代表的なプテロプスは前述の通り、ポット、鉛巻、着生済みと
言った形態で、一般的な熱帯魚ショップから水草に注力している
ショップなどで販売されています。
他には、ナローリーフ、トライデント、と言ったタイプや
地名が付いた採集物が増殖され流通してる物も見かけます。

ファーム物は主に水上葉で販売されていることが多く、
水中葉を展開させるには少し時間がかかります。
採集物の増殖や、店内のディスプレイで使用された物などは
すでに水中葉になっているため、導入は容易となります。

鉛巻きで販売されているプテロプスは殆ど根茎が無いか
あってもごく僅かな1枚の葉を束ねてあるだけなので
お世辞にも株とは呼べず、そこから再生させないと
いけないため、少し高くてもポットものやショップの増殖株を
入手した方が育てやすいと思います。

購入の際は、出来るだけ綺麗な緑色の株を選びます。
水上葉は葉先や縁が黒くなったり茶色くなったりして
枯れていくので入荷して時間の経過したものは
古い葉が変色していることがあります。その場合は、
新芽が展開しており、根が伸びているものを選ぶと良いでしょう。



用意すべき環境


基本的には特に難しい点は無いので、熱帯魚を飼育する
セットが組めれば栽培は可能です。
サイズは環境によって変化しますが、ノーマルのプテロプスは
水槽に馴染むとそれなりのサイズになる場合があります。

底床はソイル系、大磯などの砂礫、どちらでも問題はありません。
pH に大きな影響を与えるようなものでなければ大丈夫です。
流木や石に着生させる場合は底床は無くても大丈夫ですが、
水草をメインにする場合は薄くでも敷いた方が良いでしょう。

照明は、市販の水草用LEDであれば、水槽サイズに合った
製品選び、1灯あれば栽培することが出来ます。

二酸化炭素は必ずしも必要ではありませんが、しっかりとした
株にしたい場合は添加する方が良い結果が出ます。ファーム物は
基本的に水上葉で入荷するので水中化を促進させるには
二酸化炭素の添加が効果的です。

二酸化炭素に見合った照明(2灯〜)を当てることによって、
光合成を盛んに行い、葉裏に気泡を付けることもあります。
また、葉を密に付けボリュームのある草姿となります。

肥料は少量の液体の物を使用します。


日々の管理


水が古くなりすぎるのは嫌がりますので、定期的な換水を
行うようにします。

換水後、または換水前日などに液体肥料を極少量添加します。
もし入れ過ぎたと感じた場合は換水するようにします。
市販の水草用の液体肥料が簡単に添加出来て良いでしょう。

石や木等の素材に着生させた場合、それを置いた下は
どうしても汚泥が堆積してしまうため、換水の際には時々
着生した素材を動かして、その下をクリーニングするようにします。

調子よく成長して葉数が増えた場合は、古い葉からカットします。
あまり密になりすぎるとゴミが堆積したり、水の流れが悪くなるので
ある程度にキープするようにします。


育成あれこれ


丈夫な種類なので、普段は状態の良い水草水槽を維持することに
努めれば問題ありません。

ボルビティスの導入で見られるように付いている葉や根を
全てカットして根茎のみを流木等に巻き付けておくと言う
方法がありますが、時折そのダメージが大きすぎて成長が
遅くなる場合があります。
特に問題が無い場合は、傷んだ葉や長すぎる根をカットする程度に
とどめ、健康な部分は残すと良いかと思います。

育成中のトラブルで多いのは、いわゆる「シダ病」という症状です。
葉のあちこちに灰褐色のシミが出来て、触れ合ってる箇所から
広がっていきます。
原因は不明ですが、発症するときは高水温であることが多いようです。
また、茂りすぎた場合に内部の通水が悪くなり発症するケースや
ミクロソルムの内部で飼育している魚が死んで腐敗した部分から
発症するケースも考えられます。
また、アヌビアスなどと同様に、他の水草の腐敗したり
病気になった葉が触れ続けることで発症する場合もあります。

対策としては高水温は、水面に向けてファンを回す、エアコンを
使用すると言ったことが考えられます。
それ以外の対策は、葉が茂りすぎないようにトリミングを施し、
定期的な換水とその都度の観察が有効です。

その他のトラブルで稀なケースは、飼育しているバルブやエビ類が
ミクロソルムの根を食害することで、生育が阻害される場合があります。
株の下に細切れになった根が散乱している場合はこれにあたると
思います。そうなると上手く絡み合って密生していた株が
力無くばらけてくることがあるのでその場合は根の食害を
疑っても良いかも知れません。

何年か前から緑色のブツブツが付着する症状があるようですが
当店では見たことがないので知識がありません。
しかしながら持ち込みによることが殆どのようなので導入時に
プラケースなどに水を張ってそこでよく観察するようにした方が
良いでしょう。ブツブツが見られる場合は残念ながら廃棄するのが
現状ベストだと考えられます。

基質に着生させる場合は、基本的にはビニタイやテグスで固定しますが
最近は着生用の接着剤と言った商品も販売されています。



増殖

調子良く育ってくると、根茎が分岐するので、それをカットして
株分けをします。
また、葉先や葉裏から子株を生じることがありますので、
ある程度のサイズになったら取り外します。

稀に、水槽内で胞子が散らばり、上手く受精した場合に
水中で前葉体が生じます。その場合は気がついたら
ホソバミズゼニゴケのようなものが水槽内に転がっているので
そのままにしておけばいつしかミクロソルムが生じています。
ただ、どのタイミングで株に成長しているのかわからないことが
殆どなのでこの辺りも不明な点が多いように思います。
また、前葉体のまま成長することもあるようでそのまま茂ることも
あります。個人的にはウーパールーパーみたいなものなのかなと
想像しています。


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